2021年3月からはじまるオンラインブランド「povo」、そして現行のau「ピタットプラン」、2月から開始したUQモバイルの「くりこしプラン」
いずれも安い料金体系が特徴ですが、契約前にきちんと内容を理解し、どのプランが自身にフィットしているか見定めておきたいものです。
本記事では、povo・ピタットプラン・くりこしプランを比較し、データ利用状況に合わせたおすすめプランをご紹介します!
povoについて
povo(ポヴォ)は、月額2728円(税抜2480円)でデータ量20GB使えるプランです。
超過しても最大通信速度1Mbpsで利用できるため、音声コンテンツや中画質程度のYouTubeなら、速度制限時でもある程度利用できるレベルです。
なお、24時間データ使い放題を税込220円/回、1GBデータを税込550円/回で追加することができる柔軟性も特徴です。
また、通話に関しては30秒あたり22円(税込)とされていますが、5分以内かけ放題は税込550円/月、24時間かけ放題は税込1650円/月で利用状況に合わせて追加トッピングできます。
提供開始は2021年3月と予定されています。
ただし、povoの申し込みはオンライン限定で、アフターサポートなどが受けられない、キャリアメールが使えないなどの注意点があります。
とは言え、1GBあたりの単価が非常に安いコスパ最強プランゆえに、注意点がかすんで見えます。
関連記事:「povo(ポヴォ)の注意点や詳細まとめ!他社プランとの徹底比較!」
ピタットプラン4G LTE/ピタットプラン5Gについて
auの現行最安プラン「ピタットプラン(4G LTE/5G)」は、月間0〜7GBまで、使った分に応じて料金が確定する段階プランです。
具体的には3つのステップに分かれており、1GB未満だと3278円(税抜2980円)、1〜4GB未満で4928円(税抜4480円)、4〜7GB未満で6578円(税抜5980円)で利用できます。
ちなみに7GB超過時は最大128kbpsの速度制限があります。
通話料は30秒あたり税込22円ですが、5分以内かけ放題は税込880円/月(通話定額ライト2)、24時間かけ放題は税込1980円/月(通話定額2)で利用状況に合わせて追加できます。
なお、auの通話定額ライト2/通話定額2は、「留守番電話」「割り込み通話」などの通話オプションを定額内で利用できる優位性があります。
ピタットプラン(4G LTE/5G)はこれらの基本料から、家族利用数に応じて2名なら税込550円/月、3名以上なら税込1100円/月割引され、auひかりなどの固定回線とのセット割で1GB以上利用なら税込550円/月割引されます。
「データ量をほぼ必要としない」かつ「家族割プラス・auスマートバリューが適用できる」かつ「充実したサポートを受けたい」ユーザーにとっては価値あるプランかもしれませんが、それ以外のユーザーにとっては割高感が否めません。
関連記事:「ピタットプラン 4G LTE」「ピタットプラン 5G」
くりこしプランについて
くりこしプランは、2021年2月1日にはじまったUQモバイルの料金プランです。
S・M・Lの3つのプランから自分に適したプランを選択し、契約することができます。
具体的には、くりこしプランSは月額1628円(税抜1480円)で3GB利用できるプラン、くりこしプランMは月額2728円(税抜2480円)で15GB利用できるプラン、くりこしプランLは月額3828円(税抜3480円)で25GB利用できるプランです。
速度超過時はくりこしプランSでは最大300kbps、くりこしプランM・Lでは最大1Mbpsの速度となります。
「くりこしプラン」というだけあって、当月余ったデータ量を翌月に繰り越すことができるのが大きな特徴です。
ちなみに、くりこし上限はくりこしプランSの場合最大3GB、くりこしプランMの場合最大15GB、くりこしプランLの場合最大25GBとなっています。
月によってデータ利用の波があっても余すことなく翌月に利用できる点は、他のプランにはない優位性です。
なお、通話料は30秒あたり税込22円ですが、利用状況に応じて月間60分かけ放題を税込550円/月、10分かけ放題を税込770円/月、24時間かけ放題を税込1870円/月で追加することができます。
平均データ利用20GBの場合はpovoに劣りますが、翌月へくりこしできる点やそれ以外のデータ利用環境次第ではpovoよりもお得に使えます。
povo⇔au⇔UQ間のプラン変更について
現在auやUQモバイルを利用中のユーザーにとって、プラン移行時の解約違約金や手数料は気になるところかと思います。
結論としては、auやUQモバイルを利用中の場合でも、「au」「UQモバイル」「povo(ポヴォ)」間の移行手続きによる変更手数料はすべて”実質無料”となっています。
具体的には、当面の間、プラン移行に伴う「契約解除料」「番号移行手数料」「新規事務手数料 (UQ mobileでは、SIMパッケージ料金)」が一度、契約元(契約先)から請求され、翌月以降に移行先の利用料金から割り引きされるようになるそうです。
要は、「プラン変更」というより「事業者変更(MNP)」に近いイメージで、後から減算処理されるわけです。
povo・ピタットプラン・くりこしプランを比較
まず、「povo」「ピタットプラン(au)」「くりこしプラン(UQ)」を比較するために表でまとめます。
※優位点を青字で示しています。全て税込表記です。
プラン名 | povo | ピタットプラン (4G LTE/5G) |
くりこしプラン |
提供開始 | 2021年3月 | 2019年6月(4G) 2020年3月(5G) |
2021年2月 |
料金 |
一律 2728円(20GB) |
段階制 3278円(〜1GB) 4928円(1〜4GB) 6578円(4〜7GB) |
選択制 1628円(3GB) 2728円(15GB) 3828円(25GB) |
データ量 | 最大20GB | 最大7GB | 最大25GB |
データくりこし | なし | なし | 対応 |
節約モード | なし | なし | 対応 |
超過時の速度 | 最大1Mbps | 最大128kbps | 最大300kbps(S) 最大1Mbps(M/L) |
追加データ料金 | 1GB=550円 1日無制限=220円 |
0.5GB=605円 1GB=1100円 3GB=3300円 5GB=5500円 |
100MB=220円 500MB=550円 5GB=5500円 |
通話料金 | 20円/30秒 | 20円/30秒 | 20円/30秒 |
通話オプション | 5分かけ放題=550円 24時間かけ放題=1650円 |
5分かけ放題=880円 24時間かけ放題=1980円 |
月60分かけ放題=550円 10分かけ放題=770円 24時間かけ放題=1870円 |
5G対応 | 2021年夏 | 対応 | 2021年夏 |
家族割 | なし | 2名=▲550円 3名以上=▲1100円 |
なし |
光回線割 | なし | ▲550円 ※1GB以上利用時 |
なし |
キャリアメール | なし | あり | なし |
対応 | オンラインのみ | オンライン&店頭 | オンライン&店頭 |
解約違約金 | なし | 1100円 (2年契約N) |
なし |
上記の通り、povoは月間20GBを必要とするユーザーにとって最もお得で便利なプランと言えます。また、24時間データ使い放題オプションという柔軟性の高さ、通話定額オプションが安い点は嬉しいところです。
一方、UQモバイルのくりこしプランは「20GBまでは必要ない方」または「20GBじゃ足りない方」にとってお得なプランと言えます。
何より、余ったデータ量を翌月に繰り越せる点、節約モードでデータ消費を調整できる点、月間60分通話し放題オプションがある点は嬉しいところです。
対してauのピタットプランは「5G対応(現時点)」「キャリアメール対応」という点以外、メリットは感じられません。
つまり、料金を安く利用するなら「povo」か「くりこしプラン」のどちらか、自身に適したプランを選択するのが望ましいです。
そして、どのプランが一番ベストか?については、自身の月間データ量に応じて異なります。
利用データ量別おすすめプラン
それでは、ここからデータ利用量に応じたおすすめプランを徹底的に細分化して比較します。
ご自身のデータ利用目安に基づいて、プラン選択の判断材料に活用いただけますと幸いです。
※なお、フェアに比較するために「家族割」「固定回線割」は加味しないものとします。
月間1GB未満の場合
月間データ利用量1GB未満の場合は、UQモバイルの「くりこしプランS」がおすすめです。
月額1628円(税込)で最大3GBまで高速通信できるお得さと、余ったデータ量を翌月に繰り越せる点でpovoやピタットプランよりも圧倒的にコスパが良いからです。
仮にauのピタットプランで家族割プラス3名以上で組んだとしても月額2178円(税込)ですから、それよりも550円安く、しかも2GB多く利用できます。
月間1〜3GB未満の場合
月間データ利用量1〜3GB未満の場合も、UQモバイルの「くりこしプランS」がおすすめです。
なぜなら、月額1628円(税込)で最大3GBまで高速通信できるお得さと、余ったデータ量を翌月に繰り越せる点でpovoやピタットプランよりも圧倒的にコスパが良いからです。
特に、ピタットプランと比べると毎月3000円以上もお得です。
月間3〜4GB未満の場合
月間データ利用量3〜4GB未満の場合は、「povo」がおすすめです。
月額2728円(税込)はくりこしプランMと同じですが、利用データ量が最大20GBまでと、5GBも多い点で優位です。
ピタットプランと比べて毎月2000円以上もお得です。
月間4〜7GB未満の場合
月間データ利用量4〜7GB未満の場合も、「povo」がおすすめです。
月額2728円(税込)はくりこしプランMと同じですが、利用データ量が最大20GBまでと、5GBも多い点で優位です。
ピタットプランと比べて毎月3500円以上もお得です。
月間7〜15GB未満の場合
月間データ利用量7〜15GB未満の場合も、相変わらず「povo」がおすすめです。
月額2728円(税込)はくりこしプランMと同じですが、利用データ量が最大20GBまでと、5GBも多い点で優位です。
ピタットプランは7GBを超過すると通信速度が最大128kbpsへ極端に遅くなってしまうため、比較対象になりません。
月間15〜20GB未満の場合
そして、月間データ利用量15〜20GB未満の場合も、やはり「povo」がおすすめです。
平均利用データ量が15GBを超える場合は、UQモバイルだとくりこしプランLとなり、povoよりも月額1000円ほど高くなります。
一方、ピタットプランは7GBを超過すると通信速度が最大128kbpsへ極端に遅くなってしまうため比較対象になりません。
月間20〜25GB未満の場合
さて、月間データ利用量20〜25GB未満の場合は、UQモバイルの「くりこしプランL」がおすすめです。
ここまでくるとpovoやピタットプランは通信速度制限がかかってしまうため、比較対象になりません。
しかしながら、povoには1回220円(税込)で24時間データ使い放題できるオプションもあるため、「数日だけたくさん使いたい!」などの使い方次第では「povo+追加オプション」という選択肢もありかもしれません。
月間25GB以上はデータ使い放題プランへ
最後に月間データ利用量が25GB以上の場合は、povoもピタットプランもくりこしプランもおすすめしません。
これ以上のギガを必要とするなら、auのデータ使い放題プランや他事業者の使い放題プランを検討した方が良いでしょう。
また、自宅にインターネットの利用環境がなければ、auひかりなどの固定回線を契約し、通信環境を整えることをおすすめします。
関連記事:「auひかりのおすすめ代理店人気ランキング」
まとめ
最後に「povo」「ピタットプラン」「くりこしプラン」のおすすめプランを、データ利用状況別にまとめます。
結論としては、UQ(3GB未満)<povo(3〜20GB未満)<UQ(20〜25GB未満)<au(25GB以上)の順でお得になる構図となりました。
残念ながら、auのピタットプランは他プランのコスパに圧倒され、価格面では全く歯が立ちません。
auの利用価値としては、全国のauショップでサポートを受けられる点、関連サービスの付加価値、データ使い放題プランがある点などの「価格以外の面」に移ってしまいました。
現時点ではpovoの詳細不明な部分もあるため、一概に「これがすべて!」とも言い切れませんが、ご自身のデータ利用状況を振り返って、ベストなプランを選択していきたいものです。