ついにKDDIと沖縄セルラーが、auのオンライン専用の格安新プランを発表しました。
その名も、”povo”
ポボ?ポブ?プボ?パボ? いえ。正しくは、「ポヴォ」です。
povoの基本料金は月額2480円、通信量は20GBです。20GBを超えると最大1Mbpsに速度制限されます。これに通話やデータ利用のニーズに応じた多様な「トッピングオプション」を追加できるのが特徴です。
ドコモがahamo(アハモ)、ソフトバンクがSoftBank ON LINE(仮称)を相次いで発表した後、KDDIがインパクト抜群の格安プランを生み出しました。
auのデータMAXプランでは容量が多すぎる方、ピタットプランでは容量が少なすぎる方にとって、非常にメリットがあるプランと位置付けられます。
本記事はpovo(ポヴォ)の詳細や注意点、他プランとの比較、メリット・デメリットなどを徹底的に解説します!
- povo(ポヴォ)の特徴
- povo(ポヴォ)のトッピングオプション
- 24時間データ無制限オプションは1回あたり200円
- データ量追加は1GBあたり500円
- 5分通話かけ放題は月額500円
- 24時間通話かけ放題は月額1,500円
- 今後「動画使い放題」や「SNS使い放題」のオプションが追加提供される!?
- povo(ポヴォ)の注意点
- povo(ポヴォ)のテザリングについて
- povo(ポヴォ)に通信速度制限はあるのか?
- povo(ポヴォ)の海外ローミングについて
- povo(ポヴォ)の意味/名前の由来
- auワイド学割とpovo(ポヴォ)はどちらがお得なのか?
- 「au」「UQモバイル」「povo」間の移行手続きによる手数料は不要!
- povo(ポヴォ)のメリット・デメリットまとめ
povo(ポヴォ)の特徴
auの格安新プラン「povo(ポヴォ)」は、月額2,480円(税抜き)で毎月20GBまでのデータ通信が利用でき、20GB超過後は最大1Mbpsで通信できます。
サービス開始は2021年3月からで、4G/5Gどちらのエリアにも対応します(5Gは2021年夏以降対応)
なお、通話料金は30秒あたり20円の従量加算です。が、通話利用が多い場合は「5分通話かけ放題(月額500円)」や「かけ放題(月額1,500円)」を追加することで定額通話を利用できます。
また、データ量が足りないときは24時間あたり200円でデータ無制限を追加したり、1GBあたり500円で追加購入することができます。
ちなみに申し込みは「povo」専用サイトから手続きを進め、契約後は「CIRCLES LIFE(サークルズ ライフ)」とKDDIが共同で提供するオンラインシステムを活用して、かんたんに内容を変更できます。
これまでのスマホ料金プランは、高い基本料金から「auスマートバリュー」や「家族割プラス」または「スマホ応援割」や「学割」などを”引き算”して組んでいくのが主流でした。ですが、povo(ポヴォ)は最初から基本料金が安く、ユーザーの利用用途に合わせて追加オプションを”足し算”していく点で非常にわかりやすく、良心的な設計だと思います。
povo(ポヴォ)のトッピングオプション
povo(ポヴォ)は、月額2,480円で20ギガの基本スペックに加えて、ユーザーの利用環境に合わせて「データ量」や「通話定額オプション」を柔軟に”トッピング”できるのが特徴です。
以下、povo(ポヴォ)の追加オプションについてまとめます。
24時間データ無制限オプションは1回あたり200円
毎月データ量20GBと言えど、気になるYouTuberのライブ配信を見たり、映像コンテンツで映画やドラマを思いっきり楽しみたい時に足りなくなる時があるもしれません。
そんな時にpovo(ポヴォ)は、24時間あたり200円でデータ量無制限で使うことができます。
従来のデータ量無制限は「データMAXプラン」などへ変更手続きを行い、翌月の切り替え日まで待たなければなりませんでした。
しかしpovo(ポヴォ)は、「いつでも」「すぐに」切り替えできる点で非常に便利です。この仕組みはドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクのSoftBank ON LINE(仮称)には無く、非常に優れた点だと言えます。
データ量追加は1GBあたり500円
povo(ポヴォ)は、データ量不足時に1GBあたり500円で追加購入できます。
個人的には超過後も最大1Mbpsなので、テキストや画像の送受信ならそこまで不満は無いだろうと思いますし、さらに24時間データ無制限で200円の方がメリットが大きいことから、1GBあたり500円の追加購入はそこまで必要ないのではないかと感じています。
例えば、月末残り2日だけどデータ量が足りない!となれば、わざわざ1GBを500円で購入するよりも、200円×2日分をデータ量無制限で使った方が圧倒的に利点が多いですからね。
一方、月末残り3日以上あって残り1GBだけどうしても追加したい、という場合は1GBあたり500円で追加するのもアリかもしれません。
結局は、ユーザーの使い方・状況次第といったところでしょうか。
5分通話かけ放題は月額500円
ちょっとした電話をコツコツかけることがあるという場合は、5分以内通話無料オプションを月額500円で追加することができます。
povo(ポヴォ)の基本料金と5分通話かけ放題をあわせると2,980円、これでドコモのahamoやソフトバンクの格安プランと同水準の料金体系となります。
ただ、auのpovo(ポヴォ)では、5分通話かけ放題オプションに加入しないという選択肢もとれます。
あまり通話を利用しない月がある、または「LINE通話」などのアプリメインで使っている場合は、あえて通話オプションには加入せずに、他社よりも安く利用することができます。
24時間通話かけ放題は月額1,500円
仕事やプライベートで頻繁に電話を利用している場合は、24時間通話かけ放題オプションを月額1,500円で追加することができます。
povo(ポヴォ)の基本料金と24時間かけ放題オプションを足しても合計3,980円です。
従来のスマホ向け料金プランに通話定額を足し算してもここまで安くコスパの良いプランは実現できなかったと思います。
今後「動画使い放題」や「SNS使い放題」のオプションが追加提供される!?
今回のpovo(ポヴォ)リリース時点においては、「データ量無制限」や「通話定額」などのトッピング追加オプションは”第1弾“とされており、今後、”第2弾 “として他の追加オプションも追加提供される可能性が考えられます。
なぜなら、2021年1月13日の新プラン発表会で「サービス」トッピングという名目をスライドに記載しており、別のスライドページでは「2時間 ムービー使い放題」「24時間 SNS…」などの記載があったからです。

参考:KDDI新プラン発表会のスライド
このことから、近い将来、「SNSや動画を一時的にたくさん使いたい」という場合にも「いつでも」「すぐに」追加できるトッピングオプションが追加提供されかもしれません。
povo(ポヴォ)の注意点
申し込み手続きはオンラインのみ!店頭や電話では手続き不可
povo(ポヴォ)の受付は、オンラインのみとなっています。
これまでauで料金プランを変更する際は、店頭や電話でも受付可能でしたが、povo(ポヴォ)に限ってはオンライン専用となっているため、お持ちのスマホやパソコンからの手続きが必要となります。
ちなみに、変更手続きは「povo専用サイト」から申し込みする流れとなりますが、詳細については2021年3月の提供開始までに公開されるようです。
詳細が定かではないものの、今のうちにご自身のau IDやパスワードを確認しておくなど、スムーズに受付を進められるように準備しておきたいところです。
通話料金は通常加算!通話定額はオプション制
povo(ポヴォ)の通話料金は30秒あたり20円の従量課金制となっています。
もし通話利用が多い場合は、5分以内通話かけ放題を月額500円で追加、または24時間通話かけ放題を月額1,500円で追加することができます。
ドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクのSoftBank ON LINE(仮称)と比較すると、auのpovo(ポヴォ)は5分以内通話かけ放題を追加しても他社と同額、もしかけ放題が必要ないなら他社より500円安いという点で有利です。
キャリアメール非対応
いくつかある注意点での中でも、これは最大の注意点ではないかと感じています。
それが、povo(ポヴォ)はキャリアメール非対応となっていること。
スマホを長く利用している方はすでにキャリアメールなんて使っていないという方も多いかもしれませんが、中には仕事や日常的に利用している方もいらっしゃると思います。
povo(ポヴォ)に変更すると、これまで使っていた「ezweb.ne.jp」や「au.com」のアドレスが消失してしまいます。一度消失したアドレスは2度と元には戻りませんので、十分注意して切り替えていきたいところです。
5G対応は2021年夏
povo(ポヴォ)は、auの4G/5Gどちらのエリアでも使えるプランですが、5Gエリアに限っては2021年夏に対応予定となっています。
すでに5Gスマホを利用している方は、2021年3月にすぐに変更したとしてもおよそ半年間は5Gエリアの高速通信が利用できず、対応までは4G通信しか使えません。
料金の安さに目がいきがちですが、ここは案外大きな落とし穴ではないかと感じています。
端末セット販売なし
現時点でpovo(ポヴォ)では、端末の販売やセット販売は検討していないようです。
「すでにKDDIで誰でも端末を購入できる形で提供していること」または「市場にSIMフリースマホが流通していること」などの背景から、ユーザー側が端末を用意する仕組みをとっているようです。
しかしながら、KDDIの髙橋誠社長は「ユーザーのニーズ・要望を聴きながら端末販売する可能性もある」とも語っています。
povo(ポヴォ)のテザリングについて
povo(ポヴォ)は、テザリング利用時に手数料不要で利用できるようです。
消費するデータ量は基本スペックの20GBからで、200円の24時間データ使い放題追加時には、その期間中テザリングも無制限に対応するということです。
外出先でパソコンやタブレット、ゲーム端末のテザリングが必要な時に大変重宝することでしょう。
povo(ポヴォ)に通信速度制限はあるのか?
povo(ポヴォ)は「24時間データ使い放題オプション」利用時に限り、一定の通信速度制限が設けられています。
「データ使い放題 24時間」は、ネットワークの混雑時や動画・クラウドゲームなどの利用時に通信速度を制限する場合があります。
具体的に、何ギガ利用したら・どれくらいの時間使ったら制限がかかるかは不明ですが、考え方として他のau無制限プランと同様、「他利用者に迷惑がかからない程度の利用」または「居所的に利用者が集中しなければ」制限がかかることはないと考えられます。
頭の片隅に置いておく程度で理解しておきましょう。
povo(ポヴォ)の海外ローミングについて
povo(ポヴォ)の海外ローミングについては現在検討中ということです。正確な情報は後日発表されることとなりそうです。
ちなみに、先に発表されているドコモの「ahamo(アハモ)」では82カ国で最大20GBまで、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」では66カ国で最大2GBまで利用可能です。
これら競合他社のスペックと比較して、どの程度競争力を高めてくるかは今後の見どころです。
KDDIの正式な発表が出次第、本記事でも追記します。
povo(ポヴォ)の意味/名前の由来
povo(ポヴォ)という言葉をはじめて目にした時、率直に「わかりづらい言葉だな」「言いづらいよ…」と誰しも感じたと思います。
このpovo(ポヴォ)という名前の由来には、以下のような意味が込められています。

povo(ポヴォ)は、POV(Point of View)=「新たな視点」という意味と、「ab ovo(ラテン語で”卵”)」=「誕生と成長」という意味を掛け合わせた造語。
つまり、新たな視点によるサービスの誕生と成長、これがpovo(ポヴォ)という名前に込められた想いです。
意外と深い意味があるんですね。
(ちなみに「ヴォ」の発音は上の歯と唇で下唇を噛んで発するのがコツですが、やっぱり「ポヴォ」って言いづらい…)
auワイド学割とpovo(ポヴォ)はどちらがお得なのか?

2020年10月16日から提供されている「auワイド学割」は、povo(ポヴォ)の発表によって存在がかすんでしまった印象があります。
「29歳以下までOK!みーんな楽しみ放題!」という謳い文句ですが、povo(ポヴォ)がはじまる2021年3月以降は、”みーんなpovo(ポヴォ)“へ流れる可能性も考えられます。
しかし、双方の仕組みをよく確認すると、意外にも全部が全部povo(ポヴォ)の方が優れているというわけでもなさそうです。
結局「どれくらいデータ量を利用するか?」「どれくらい割引を適用できるか?」によってその良し悪しは異なりますが、
例えば22歳以下で「auスマートバリュー」「家族割プラス4人以上」「スマホ応援割Ⅲ」「5Gスタート割」などの全割引にauワイド学割を適用すると「データMAX 5G」を最安900円〜、この金額で最大6ヶ月利用できます。もし29歳以下でも同条件で最安2,460円〜、最大6ヶ月間利用できます。
しかし、7ヶ月目以降は両者とも4,460円/月~となります。これ以降は、毎月20GBで足りるかどうか?がひとつの判断基準となります。
つまり、すべての割引をクリアできる条件が整っている場合に限っては、povo(ポヴォ)よりもauワイド学割を活用した方がメリットがあります。
また、povo(ポヴォ)の5G対応が2021年夏からという点もポイントです。
29歳以下でpovo(ポヴォ)への切り替えを検討している方は、まずはauワイド学割で5G通信を安く利用しつつ、半年後、一部割引が終了するタイミングで5G環境が整ったpovo(ポヴォ)へ切り替える、という選択肢もアリだと思います。
関連記事:「auワイド学割を徹底解説!/対象は29歳以下 22歳以下はよりおトク!」
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「au」「UQモバイル」「povo」間の移行手続きによる手数料は不要!
現在auやUQモバイルを利用中の場合でも、「au」「UQモバイル」「povo(ポヴォ)」間の移行手続きによる変更手数料はすべて無料となっています。
KDDIグループの回線を利用するすべてのユーザーが、自分自身にに合ったプランをいつでも気軽に選択できます。
ただし、「au」「UQ mobile」「povo」間の移行手続きにおいて、当面の間は「契約解除料」「番号移行手数料」「新規事務手数料 (UQ mobileでは、SIMパッケージ料金)」が一度請求され、翌月以降の移行先の利用料金から割り引きされるようになるそうです。
povo(ポヴォ)のメリット・デメリットまとめ
povo(ポヴォ)のメリットとデメリットをまとめます。
メリット | デメリット |
・20ギガを2480円で使える ・24時間データ無制限を200円で追加できる ・5分かけ放題オプションを追加しても他社と同水準 |
・申し込みはオンラインのみ ・5G対応は2021年夏 ・キャリアメール非対応 |
auのpovo(ポヴォ)で注意すべき点は、やはり「オンライン専用受付」「5G対応が2021年の夏」「キャリアメール非対応」の3点です。
特に、「5G対応は2021年夏から」「キャリアメールが非対応」という点はユーザーによっては大きなデメリット、言い換えると”足かせ”のように感じることがあるかもしれません。
とは言っても、auと同じ高品質の通信を「格安」で使えることに変わりはありません。
いずれ5Gにも対応しますし、近い将来キャリアメールが衰退していく可能性もあるため、この機会にGmailなどのフリーアドレスへの切り替えを進めていくのも良いかもしれません。
むしろ、個人的にはデメリットよりもメリットのインパクトが大きく、povo(ポヴォ)の誕生を喜ばしく感じております。
近い将来、新たな「トッピングオプション」や「細かい部分」が徐々に明るみになってくると思いますが、2021年3月の提供開始に備えて、ドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクの新プラン、または楽天の動向もチェックしつつ、満足いく選択をしたいものです。