Xperiaシリーズのミドルスペックスマホとして2019年10月25日(金)にXperia 8がauから発売されます。
今回の2019年秋冬-2020年春モデルとして大手キャリアから一斉に発売されることが期待されていましたが、結局、Xperia 8を発売する通信会社はau、UQ mobile、Y!mobileの3社のみ。大手キャリアのdocomoやソフトバンクから発売されず、大手キャリアの中ではauのみ取り扱うようになりました。
デザインに重厚感があるフラグシップモデルとは一線を画し、Xperia 8はカジュアルなデザインやSNS、音楽利用をメインとしたユーザーをターゲットとして設計されたスマホです。
特にサイドセンスで便利なショートカット機能を使いつつ、性能が高いカメラを融合して活用すればTwitter、インスタグラム、Facebook、TikTokなどのSNSが格段に楽しく利用できそうです。
auでは毎年ハイスペックXperiaばかりが提供されており、真のXperiaファンを囲い込んで今いましたが、安価で手ごろなミドルスペックXperia 8が発売されると、新しいSONYファンを囲い込む起爆剤となりそうです。
毎年auから12月~翌年5月ごろにかけて若年層をターゲットにした「学割」を提供しています。auで若い世代が初めてもちはじめるスマホにXperia 8が一役買いそうな予感です。
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Xperia 8のカラーやデザインについて
Xperia 8のフロント・バックパネルには高強度なCorning Gorilla Glass 6が採用されています。また、フレームはメタルと樹脂で仕上げられており、美しさと安心感を両立しています。ガラス素材の質感を際立たせる、明るいカラーリングの4色展開です。
カラーバリエーションはブラック、ホワイト、オレンジ、ブルーの4色です。ハイスペックモデルのXperia 5とは異なり、アイスシャーベットような淡いカラーリングが特徴です。
ガラス製のディスプレイの為、ブラックの場合は多少の指紋や汚れが目立ってしまうかもしれません。このあたりは、au取扱店店頭で購入前に実機やモックアップを確認しておきたいですね。
21:9ワイドディスプレイで画面を余すことなく活用できる
Xperia 8は画面比率21:9のワイドディスプレイ設計のため、写真や動画コンテンツを一層大画面で楽しめるように進化しました。旧モデルのXperia XZ1と比較すると一目瞭然です。
これまでのスマホコンテンツは16:9の画面比率で作成されたものが主流でした。(ちなみに画面比率16:9は一般的なテレビの画面比率、21:9は映画スクリーンの画面比率と考えるとイメージしやすいです。)
21:9の画面サイズで16:9のコンテンツを楽しむ場合、画面両端がブラックスクリーン(黒画面)化し、ワイドディスプレイを活かせない懸念もあります。
しかし、NetflixやHuluで提供されている「映画コンテンツ」は画面比率21:9が基本です。洋画や邦画などの映画の作品をスマホで楽しみたい場合は、Xperia 8のワイドディスプレイが効果を最大限発揮し、映画の没入感を高めてくれます。
21:9ワイドディスプレイは1画面の情報量の多さが強み
Xperia 8のワイドディスプレイなら、縦画面をスマホを利用する場合に1画面にたくさんの情報を映し出すことが可能です。
16:9のスマホに比べて同じようにマップアプリを利用しても、広い範囲を表示する事が可能です。これなら、旅行先で道に迷っても周囲の建物や位置関係を認識しやすいので、すぐに目的地を目指すことができそうです。
さらに、ブラウザアプリやSNS利用時にも、画面スクロールする回数が少なく済むので、コンテンツや次長な情報を一目で確認しやすくなります。
液晶トリルミナスディスプレイ for mobileはフルハイビジョンテレビ同等の美しさ
Xperiaシリーズを開発しているSONYはテレビのブラビアシリーズを提供している事でも有名ですよね。ブラビアで培ったディスプレイ開発技術を応用し、Xperia 8にも美しい発色を可能にした「液晶トリルミナスディスプレイ for mobile」が採用されています。
ディスプレイサイズは6.0インチ、画面解像度は2,520×1,080(FHD+)で、約1,677万色もの色彩を表現できる性能を誇っています。
4Kディスプレイではありませんが、Xperia 8のディスプレイサイズであれば4Kディスプレイも表示できる性能は必要ありません。一般的なフルハイビジョンテレビと同等かそれ以上の性能を有しているので、写真や動画を発色良く、鮮やかに映し出してくれます。
サイドセンスを活用すればワイドディスプレイでも操作が簡単
「21:9のワイドディスプレイだと、操作するときに手が届かなくて使いづらそう。」という印象を持つユーザーは少なくないでしょう。
しかし、Xperia 8に搭載されている「サイドセンス」がそのネガティブなイメージを変えてくれます。サイドセンスを普段使いで活用していけば、縦長いXperia 8の操作が格段にスムーズになります。
サイドセンスは、Xperia本体の両側面をタップするだけで、ショートカット操作が出来る便利な機能です。縦長いスマホの場合、ディスプレイ下部のホームボタンを押すのは非常に操作しづらいところですが、サイドセンスの登場により、ディスプレイ中央部を操作した後、すぐに端末側面で操作が出来るので、わずらわしさがなくなる特徴があります。
ここからは、サイドセンスの機能の一部を確認していきましょう。
サイドバーをダブルタップしてアプリ起動
サイドバーをダブルタップするだけでアプリのショートカット画面が開きます。このショートカットは、時刻や使用頻度の情報をもとに、その状況にあった利用想定アプリをXperiaが予測して表示してくれます。また、設定を変更すればユーザー自らショートカットアプリをカスタマイズすることも可能です。
わざわざ、ディスプレイ下部からホームに戻ったり、タスクを表示せずとも一気に使いたいアプリへジャンプすることが出来るのです。
サイドバーを下にスワイプすると ひとつ前に戻る
サイドセンス機能の中で私が特に気に入っているのが「ひとつ前にもどる動作」を可能にした点です。サイドバーを上から下にスワイプするように指でなぞるだけでひとつ前に戻る動作をします。
縦画面のワイドディスプレイだからこそ、ひとつの画面でたくさんの情報を表示できる点はXperia 8の強みですが、ひとつ前にもどる動作のやりにくさが犠牲となっていました。しかし、本機能によりこのネガティブな部分は一気に解消されます。もう、誤クリックで慌てふためいても、落ち着いてサイドバーを下にスワイプすればカンタンにひとつ前に戻れます。
(欲を言えば、ブラウジング中に「ひとつ先へ進む動作」もいつか搭載されたら完璧でしょうね。笑)
現時点では「ひとつ前に戻る動作」のみ対応しています。
カメラ性能について
ポートレート写真は背面/前面両方で撮影可能
Xperia 8は背面のアウトカメラに約1200万画素と約800万画素のデュアルカメラ(2レンズ)を搭載し、背景ぼけで被写体を際立たせることが出来ます。
さらに、インカメラでもポートレートセルフィーに対応しており、同じくボケ感のある写真を撮る事が可能です。ポートレートセルフィーでは「ぼけ」「美肌」「肌の明るさ」「目の大きさ」「輪郭補正」に対応しており、写真を撮った直後に補正後の仕上がりを確認しながら編集できる点が特徴です。
色味やコントラスト調節などは多くのスマホで搭載されているカメラ機能ですが、「肌」や「目」「輪郭」などに拘って補正できるのはXperia 8の優れた点です。特に、写真編集アプリに頼ることなく標準機能として補正できるので、写真の品質を損なわずにキレイに補正できる点は非常に優れた機能だと言えます。
これなら、SNSやメッセージで最高の1枚をつくって送る事がカンタンに出来そうです。
電子式手ブレ補正(Steady Shot)で動きながら撮影してもブレない
Xperia 8のムービーカメラは電子式手ぶれ補正機能に優れています。
SONYのサイバーショットやハンディカムで培った電子式手ブレ補正技術により、手持ちで被写体を追いかけながらの撮影でも、なめらかで自然な動画を記録できます。
大切なシーンも撮り逃すことなくベストムービーがいつでも簡単に撮れます。また、動きが早いシーンでブレが多い時によく起こる画面酔いも、このシステムで軽減されそうですね。
プレミアムおまかせオートでインスタ映えする
料理や人物、夜景や逆光など、13種類のシーン×4つのコンディションを自動で判断。被写体や環境に応じて、最適な設定を自動で賢く選択してくれます。
例えば、SNSへ他の人より見栄えの良い写真を撮りたいと考えた場合、画像編集アプリを利用して色彩、コントラスト、露光を調節してアップするような事があるかもしれません。
Xperia 8のプレミアムおまかせオートなら、その手間はもう必要ありません。Xperia自身のソフトウェアで自動でシーンを判別して、その状況に応じたベストな補正をかけた状態で写真を残すので、画像編集せずとも見栄えが良い写真を撮る事が可能です。
マルチウィンドウなら作業効率2倍
Xperia 8は縦長いワイドディプレイを活かした「マルチウィンドウ」という機能を搭載しています。マルチウィンドウは、ひとつの画面に2つのアプリを同時起動しながら、双方のアプリを利用できる機能です。
例えば、画面上部に動画アプリを表示して気になる動画のLIVE配信を見ながら、画面下部にSNSのアプリを表示して利用することも可能です。
ひとつの画面で動画を見ながらSNS投稿できてしまうので、これまでのようにテレビに目をやりながらスマホで文字入力し、大事なシーンを見逃すことも防げます。
マルチウィンドウがあれば、同じ興味を持った世界中の人と感動を共有できるので、動画やSNSの楽しみ方が格段に広がりそうですね。
バッテリー容量が少ない点は残念
Xperia 8の内臓バッテリーの容量は2,760mAhです。同サイズのスマホと比較すると若干少なめのバッテリー容量なので、どれくらい電池を持たせることができるのかは少々心配です。
しかしながら、Xperia 8にはSTAMINAモードが搭載されています。STAMINAモードは、ディスプレイの描画速度、高画質モードを一部抑える、バイブレーション、GPS機能を制限し、バッテリーの消耗を抑えてくれる機能です。
外出時の普段使いではSTAMINAモードで利用しながら、集中して利用したい場合に解除するなどの工夫で電池の持ちは幾分も改善できます。
さらに、Xperia 8には「いたわり充電」という機能が搭載されています。いたわり充電とは、電池寿命を延命させるための機能です。充電の習慣(充電器に長く接続している時間帯)を学習して充電速度を調節し、バッテリーの性能をよりよい状態に保つことで、バッテリーの寿命を延ばします。
例えば、就寝中にスマホを充電しながら眠りにつく場合でも、寝ている間の充電時間をスマホ自ら学習し、充電速度を調節してくれます。バッテリーに負荷がかかりにくい充電の仕方を自動で考え、実行してくれる賢い機能です。
つまり、これらのSTAMINAモード、いたわり充電の2つの機能で少ない電池残量でも、賢くバッテリーを運用すれば、内臓電池容量少ない問題も解消できそうです。
イヤホンジャックを搭載しているけど防水/防塵対応だから安心か?
Xperia 8ではイヤホンジャックに対応しています。本体上部に3.5mmオーディオジャックが開いており、ここにイヤホンを差し込めばいつでも音を楽しむことができます。
また、音楽CDの約3~6倍の情報量を誇るハイレゾを再生できます。クリアな音質で音楽を楽しめる上、「DSEE HX」という技術も備えられており、CD/MP3/AACなどの圧縮音源を、ハイレゾ相当の高解像度音源に変換して高音域をクリアに表現してくれます。
ミドルレンジスペックながらも、こういった音のこだわりをないがしろにしていない点は非常に好感が持てます。
しかしながら、イヤホンジャックから水分が浸透してしまうとそこから水濡れや腐食が発生するリスクも考えられます。Xperia 8は防水/防塵対応ですが、イヤホンジャックは陥没した穴が端末上部に空いている形状の為、水分はたまりやすいでしょう。このあたりは慎重に丁寧に使っていくほうが良いです。
Xperia 8のスペックまとめ
それではauのXperia 8(SOV42)のスペックを一覧でまとめます
製品名 | Xperia 8(SOV42)エクスペリア エイト エスオーブイヨンニ |
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価格 | 59,040円(税込)※auオンラインショップ |
本体サイズ | 約W69×H158×D8.1mm(最厚部 9.7mm) |
画面サイズ | 約6.0インチ |
重量 | 約170g |
カラー | ブラック、ホワイト、オレンジ、ブルー |
ディスプレイ | 液晶トリルミナスディスプレイ for mobile |
最大表示色 | 約1,677万色 |
解像度 | 2,520×1,080(FHD+) |
防水 | IPX5/IPX8 |
防塵 | IP6X |
Android | Android 9 Pie |
メモリ(RAM/ROM) | 4GB/64GB |
CPU | Snapdragon 630 2.2GHz/4+1.8GHz/4 |
対応SDカード | 512GB microSDXC |
電池容量 | 2,760mAh |
充電時間 | TypeC 共通 ACアダプタ 01:約160分 TypeC 共通 ACアダプタ 02:約140分 |
最大通信速度 受信最大/送信最大(Mbps) |
479Mbps/75Mbps(理論値) |
Wi-fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Ver.5.0 |
赤外線 | 非搭載 |
生体認証 | 指紋認証 |
メインカメラ性能 | 撮影ライト/手ぶれ補正/オートフォーカス/静止画ズーム5倍/動画ズーム5倍対応 |
アウトカメラ有効画素数 | 約1,200万画素/約800万画素 |
インカメラ有効画素数 | 約800万画素 |
ワンセグ/フルセグ | 非対応 |
同梱品 | オープンイヤー型ステレオヘッドセット(クリップ、リングサポーターL・R含む)(試供品) |
Xperia 8の特徴的な機能やスペックをここまで見てきましたが、今回のXperia 8は「SNSメインユーザーに特化したスマホ」と自信を持って位置づけられます。
デュアルカメラによるポートレートモード、プレミアムおまかせオートによる見栄えの良い写真撮影、マルチウィンドウによるSNSと他アプリの連携、サイドセンスによる操作性向上、イヤホンジャック搭載。どれをとってもSNSをよく利用するユーザーには非常に便利な仕組みが盛りだくさんのモデルです。
一方で、CPUがスタンダードクラスである点、内臓電池が少ない点など多少劣ってしまうような印象もありますが、それらを感じさせないほど心地よい機能がつまっています。
同日販売されるXperia 5が9万円ほどするモデルですが、Xperia 8は59,040円(税込)で販売され、3万円程度の金額差があります。
普段利用するアプリや機能を少し立ち止まってイメージしつつ、どちらのモデルが適しているか見比べながら検討するのも面白いでしょう。
いずれにせよ、今後SONYの新規ファンがXperia 8の登場でどんどん増えていきそうな予感です。
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