投資に興味をお持ちであれば、カブドットコム証券が「auカブコム証券」という会社に名前が変わったことをご存知の方は多いと思います。
しかし、”au”というブランド名がついたことで、auユーザーがこれだけ得をする!ということを細かくご存知の方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、auカブコム証券をauユーザーが利用することで得られるメリットや、特典の内容について解説します。
auカブコム証券とは?
まずはじめにauカブコム証券の”沿革”について解説します。
「auカブコム証券」とは、2019年12月1日にカブドットコム証券から社名を変更した証券会社です。
起源は、前身の「日本オンライン証券」と「イー・ウイング証券」が1999年に発足したことから始まり、この2社が2001年に合併して誕生したのが「カブドットコム証券」です。
そこから18年の時を経た2019年6月、KDDIの子会社「auフィナンシャルホールディングス株式会社」が株式公開買付け(TOB)によって議決権所有割合ベースで37.96%の株式を取得し、2019年12月1日にカブドットコム証券から「auカブコム証券」へと社名が変更されました。
auカブコム証券(前:カブドットコム証券)は2005年に東証一部上場して以来、配当や自社株買いを通じた「株主還元重視」の姿勢でしたが、2019年8月に非上場化して以降は「顧客還元重視」に大きく舵を切っています。
カブドットコム証券から”auブランド”へ社名が変わって、方針も大きく転換したタイミングで、auユーザーのメリットが生まれたのです。
auユーザーは「auの投資信託ポイントプログラム」でポイント還元率が2倍!
auの携帯電話を利用しているユーザーがauカブコム証券を利用するメリットのひとつに「auの投資信託ポイントプログラムで優遇される点」が挙げられます。
そもそもauの投資信託ポイントプログラムとは、auの投資信託(auスマート・ベーシック/auスマート・プライム)を保有しているだけで毎月Pontaポイントがもらえるという特典です。
通常、対象者全てにポイント還元があるものの、auの携帯電話ユーザーであればポイントの還元率が他社ユーザーと比べて2倍アップするのが大きなメリットです。
ポイントの還元率一覧は以下の通りです。
au通信契約あり | au通信契約なし | |
auスマート・ベーシック(安定) | 0.04% | 0.02% |
auスマート・ベーシック(安定成長) | 0.04% | 0.02% |
auスマート・プライム(成長) | 0.10% | 0.05% |
auスマート・プライム(高成長) | 0.10% | 0.05% |
上記のとおりau携帯電話保有者は還元率が2倍も高くなっており、さらに、低リスク/低リターンのauスマート・ベーシックよりも高リスク/高リターンのauスマート・プライムの方が還元率が高いのが特徴です。
例えば、auスマート・プライムで月間保有残高が100万円程度ある場合、auユーザーだと年間で1,000ポイント程度が永続的に付与されるイメージです。(※保有残高が変動したら付与ポイント数も変動します)
現在、Pontaポイントを活用できるau PAY経済圏は大きく広がっており、au PAYマーケットのECサイトや、キャッシュレス決済としてのau PAY、au PAY ふるさと納税など、幅広い分野でPontaポイントを利用できます。
このように使い勝手の良いPontaポイントをauユーザー限定で還元率が優遇されることが、auユーザーがauカブコム証券を利用するメリットです。
これまで、販売会社が証券口座等の保有者に対し信託報酬を還元するポイントプログラムはありましたが、運用会社がポイントで還元する取り組みはauカブコム証券が初めてのようです。
auの投資信託ポイントプログラムの概要まとめ
「auの投資信託ポイントプログラム」の還元条件、還元ポイント数、対象証券会社などの詳細は以下の通りです。
対象銘柄 |
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還元するポイントの種類 |
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ポイント還元サイクル | 毎月月末頃 (例:5月分のポイントは6月末頃に還元) |
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また、「auの投資信託ポイントプログラム」にはいくつかの注意点があり、
- ポイント還元のタイミングで、au IDが削除されている場合はポイントは還元されないこと。
- 還元ポイントは景品表示法の範囲内で計算されるため、上記計算式が適用されない場合があること。
- 還元ポイントの計算における端数の扱いは切り捨てとなること。
以上の点には気をつけておきたいものです。
特に①の「au携帯電話でau IDを保有し続けていなければポイント還元を受けられない点」は注意が必要です。
auの投資信託ポイントプログラムの登録方法
auの投資信託ポイントプログラムでPontaポイントの還元を得るには、証券口座情報とau IDのアカウントを紐づける必要があります。
この登録手続きはとてもかんたんです。
準備するものは、
- au ID(アカウント+パスワード)
- auカブコム証券の証券口座番号(数字8桁)
以上2点だけ。
もしau IDを持っていない場合は、まず新規作成した上ではじめることをおすすめします。
準備ができたら「auの投資信託 ポイントプログラム」アカウント登録サイト」にアクセスし、「au IDでログイン」を選択してIDとパスワードを入力していきます。
ログインが終わると、同意確認画面となりますので、内容をサラりとチェックしたら次へ進みます。
次に、「生年月日」の情報を登録します。au IDで登録していた情報がそのまま引き継がれて表示されますので念のために間違いがないかチェックし、次へ進みます。もし、証券会社に届けている生年月日と相違があると正しくポイントが還元されませんので注意が必要です。
ここまでの登録を済ませると、auの投資信託ポイントプログラムの「マイページ」まで進みます。ここから証券会社などを登録したり、生年月日に誤りがあれば変更手続きなどが可能です。
マイページの上部左側にある「証券口座を登録」を選択して進んでいきます。
次の画面で証券会社を選択し、対象の証券口座番号を正しく入力します。証券口座番号に誤りがあるとポイント還元を受けられなくなるため、登録前に何度かチェックすることをおすすめします。
証券口座の登録を終えてマイページに戻ると、下図の灰色で示した部分に登録中の証券口座が表示されます。
これで紐づけ作業は完了です。
auユーザーは「auで株式割」によって現物株式の手数料が1%割引される
auユーザーはauカブコム証券の会員サイトにてau IDを登録すると「auで株式割」が適用され、パソコンやスマホなど端末や利用するアプリケーション等に関わらずどのデバイスやOSからでも、現物株式(プチ株、積立は対象外)の売買で手数料が1%割引きとなります。
手堅く運用するには「いかに手数料を節約するか」が極めて重要です。1回1回は小さなメリットと言えど、積み重なれば大きなメリットとなります。
詳細を確認します。
auで株式割の適用条件
はじめに「auで株式割」は、以下の3つの条件をすべて満たすことで適用されます。
- auカブコム証券の証券口座を持っていること(法人口座は除く)
- auの携帯電話と紐づいたau ID(複数のau IDを統合されている場合は、代表契約)を持っており、auカブコム証券の名義と同一であること(法人契約によるau IDは利用不可)
- auカブコム証券口座開設時にau IDを登録した方、またはauカブコム証券の会員サイトにてau IDを登録した方であること
つまり、個人名義でauカブコム証券とau携帯電話を契約し、同一名義で証券口座とau IDを紐づけて登録すれば何ら問題はありません。
通常手数料と「auで株式割」適用時の手数料を比較
ここから、取引所に上場している企業の株式を取引する現物株式取引における通常時手数料と、auユーザーの特典「auで株式割」を適用した場合の手数料について比較します。
インターネット手続きの手数料比較
約定金額 | 通常手数料 | auで株式割適用時 |
10万円 | 99円 | 97円 |
20万円 | 198円 | 195円 |
30万円 | 275円 | 271円 |
50万円 | 275円 | 271円 |
100万円 | 1,089円 | 1,078円 |
200万円 | 2,079円 | 2,058円 |
400万円以上 | 4,059円 | 4,018円 |
※上記手数料は全て税込です。
自動音声応答(IVR)手続きの手数料比較
約定金額 | 通常手数料 | auで株式割適用時 |
10万円 | 209円 | 206円 |
20万円 | 308円 | 304円 |
30万円 | 385円 | 380円 |
50万円 | 385円 | 380円 |
100万円 | 1,199円 | 1,186円 |
200万円 | 2,189円 | 2,167円 |
400万円以上 | 4,169円 | 4,127円 |
※上記手数料は全て税込です。
オペレーター利用時の手数料比較
約定金額 | 通常手数料 | auで株式割適用時 |
10万円 | 2,299円 | 2,275円 |
20万円 | 2,398円 | 2,373円 |
30万円 | 2,475円 | 2,449円 |
50万円 | 2,475円 | 2,449円 |
100万円 | 3,289円 | 3,256円 |
200万円 | 4,279円 | 4,236円 |
400万円以上 | 6,259円 | 6,196円 |
※上記手数料は全て税込です。
auのプランを見直して運用資金を増やしたい
この記事をお読みいただいている方の多くはauの携帯電話を利用している方だと思います。
今回、auカブコム証券を中心にauユーザーのメリットについてご紹介しました。が、少しだけ目線を変えて、au携帯電話のランニングコストを少しでも安くしていくことも意識しましょう。
ランニングコストを安くするには、やはり毎月の料金プランの見直しが鉄則です。
auには「家族割プラス」や「auスマートバリュー」など、様々な割引サービスが提供されていますので、まだ適用していない割引があれば漏らさずフル活用しておきたいところです。
しかし、私が言いたいのは「ただ携帯電話の料金を安くして終わり!」ということではありません。
「携帯電話の料金プランを見直して、浮いたお金を少しずつ投資に回していきましょう」ということです。
例えば、プラン見直しで毎月1,000円でも安くなれば、年間で12,000円、3年で36,000円も費用が浮きます。
auカブコム証券では「プチ株®︎」という売買サービスにより、1株から、または500円ずつの小額積み立てから株式投資を始ることもできますし、ある程度まとまったお金ができたら丸ごと大口の投資信託にトライするのもアリです。
とにかく、au携帯電話を含めた毎月の生活費や固定費を少しでも節約し、浮いたお金をコツコツ投資の運用金に回すことで、将来の貯蓄を増やす可能性を広げていきたいものです。