ここ最近、YouTubeなどあらゆる媒体で「お金の授業」を目にすることが多くなりました。
「インデックス式の投資信託や国債でポートフォリオをバランスよく組み、長期運用で将来の資産を増やすマネーマシンを作ろう!」
そんなメッセージが「中田敦彦のYouTube大学」でも熱く語られていました。
ここで紹介されていた運用方針は私も賛成です。長期運用を前提としているので、まとまった利益が出るまでに時間がかかるものの、一番手堅い方法だと思うからです。
しかし、忘れてはいけないのが株や投資信託の売買益や分配金、国債の利子などに課せられている「税金」のこと。
これらにかかる税金は、所得税15%+住民税5%+2037年12月31日まで復興特別所得税0.315%の合計20.315%が課せられており、せっかく投資で利益が出たとしても約2割の税金を差し引いた8割ほどしか手元に入りません。
投資活動において、手数料・信託報酬・税金の3トップを極限まで安く抑えるのは鉄則です。
そこで活用したいのが投資で得られた利益を最大20年間非課税にしてくれる「つみたてNISA」という制度です。
- そもそも「つみたてNISA」とは一体どんな仕組みなのか?
- auカブコム証券の「つみたてNISA」はどんな特徴があるのか?
本記事ではつみたてNISA(ニーサ)が生まれた歴史や特徴、auカブコム証券の「つみたてNISA」の特徴やメリットについて解説します。
つみたてNISAが生まれた歴史
はじめに、NISAの「N」は日本(NIPPON)の頭文字で、ISA(アイサ)はIndividual Savings Account の略称を指しています。
これらの頭文字を繋げてNISA(ニーサ)と呼ばれています。
つまり、「つみたてNISA」とはつみたて型の日本版少額投資非課税制度です。
NISAのことを理解を深めるためには、ISA(アイサ)の歴史背景から学ぶと面白いです。
もともとISA(アイサ)は、1999年にイギリスではじまった制度なのですが、その原点はイギリス初の女性首相だったマーガレット・サッチャーさんが、イギリスを導いていた1987年にまで遡ります。
彼女が首相を務める直前の1960年〜70年代のイギリス経済状況はとても悪化しており、「英国病」とまで呼ばれるようになっていました。これに伴い、イギリス政府の財政状況も悪化していました。
この状況を打破すべく、マーガレット・サッチャー元首相が動きます。
マーガレット・サッチャー元首相は、電話・ガス・空港・航空・自動車・水道などの国営企業を「民営化」して財政支出を抑えようとしました。
そして、国営企業の民営化によって発生した「大量の株式」の売却先として一般個人に目を向けたのです。
そこへさらに、個人貯蓄を奨励することで国民自身に経済力を蓄えてもらい、国家の財政支出を削減しようという目的から、ある一定の金額内の貯金に対しては非課税とする非課税口座の制度をつくったのです。
これがISA(アイサ)の原点です。
その後、90年代に入り、政権交代などもあって多くの政策は変更されましたが、個人貯蓄の奨励という面に関しては新しい政権に変わっても受け継がれました。
そして1999年に混在していた制度を、一般の国民に理解しやすく使いやすい形に整えて「ISA(イーサ)」が誕生したのです。
誕生以降も、さらに使いやすいものとなるように何度かマイナーチェンジを繰り返して、現在に至っています。
日本では個人投資家のための税制優遇制度として2014年1月にNISA(ニーサ)が誕生し、4年後の2018年1月からは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度「つみたてNISA」が誕生しました。
ISAの原点となる非課税口座の制度が開始されてから、もう四半世紀以上が経ちました。
今や日本だけではなく様々な国がイギリスのISAを手本に非課税の貯蓄、投資制度を導入しており、「つみたてNISA」のルーツもそこにあります。
奇しくも1960年〜70代にイギリスで発生した経済不況が、現代日本に生きる我々の「非課税貯蓄制度」に繋がっていることを考えると、なんだか不思議な気持ちです。
参考記事:「定期預金金利の比較:ISAの歴史」
一般的な「つみたてNISA」の特徴
証券会社で一般口座を新規作成する場合、「一般NISA口座」または「つみたてNISA口座」のどちらかを選択して申請することができます。
これらのNISA口座の開設には税務署での確認などが必要なため、現在では申込みから取引開始までの審査が約1~2週間となっています。
税務署の審査をクリアして、晴れてつみたてNISAで運用できるようになります。
つみたてNISAの概要を以下にまとめます。
つみたてNISA | |
---|---|
投資方法 | 積立買付のみ |
対象商品 | 金融庁が定めた規定要件を満たした投資信託 |
非課税投資枠 | 年間40万円 |
非課税投資期間 | 20年間 |
途中引出し | いつでも可能 |
商品の移行 (ロールオーバー) |
不可能 |
つみたてNISA口座では毎年40万円を上限として対象商品(投資信託)を購入することが可能です。
そして購入した商品(投資信託)を保有していることで得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)が20年間非課税となります。非課税期間は20年間なので、毎年40万円ずつ投資を始めれば、最大800万円を非課税で運用することができます。
もし、運用途中でいきなり余剰現金がなくなっても売却や積み立てストップが簡単に行えるため、解約しなければ全額現金化できないiDeCoよりもリスクが低いと思います。
auカブコム証券の「つみたてNISA」の特徴
では、auカブコム証券の「つみたてNISA」の特徴について確認してきます。
まず、auカブコム証券の「つみたてNISA」における手数料についてですが、金融庁が定める基準により購入時手数料および解約や売却時手数料が0円(ノーロード)となっています。
また、投資者の負担となる信託報酬についても低水準となっております。
まぁ、このあたりはどの証券会社でも条件はほとんど変わりません。
なお、現在金融庁が定めているつみたてNISA対象の商品(銘柄)は全部で184種類ありますが、auカブコム証券ではそのうち全151種類(インデックス138+アクティブ13)のつみたてNISA対象商品(銘柄)を提供しています。
つまり金融庁が定めるつみたてNISA全銘柄のうち8割以上を揃えている計算で、豊富な商品の中から選べるのも特徴です。
そして、つみたてNISAの年間投資枠40万円を賢く使い切るために、auカブコム証券では毎月のつみたて金額設定とは別に「増資指定」をすることができます。
例えば、毎月33,333万円を1月〜12月までの12ヶ月間積み立てたとなれば合計で399,996円。これならほぼ40万円の枠を使い切るのですが、年の途中からつみたてNISAを新規で始める場合はそうはいきません。
仮に8月からつみたてNISAをはじめて33,333円に設定した場合、12月までの5ヶ月間で166,665円となり、残り233,335円の枠は余してしまいます。
ちなみに残った枠は翌年1月以降に引き継ぐことはできず、消滅してしまいます。
そんな時に活用したいのが「増額指定」です。
余した枠を使い切る目的で、最大で年に2回まで利用できますので、年途中からつみたてNISAをはじめる方で枠をきっちり使い切りたい方は、うまく活用したいところです。
なお、途中で投資に回す資金を調整したい場合は、auカブコム証券ではもちろんつみたて額の変更や途中売却などもできるため、家計の状況に合わせて柔軟に対応できるのもありがたいところです。
つみたてNISAはPontaポイント投資対象外なので注意!
auカブコム証券にはPontaポイントを使って投資商品が購入できる「ポイント投資」という制度があります。
ポイント投資とは、au回線の利用やau PAYカードの利用額、またはauカブコムの資産形成プログラムなどでたまったPontaポイントで投資信託を購入できるサービスです。
ポイントで投資商品を購入した場合でも現金で購入した投資信託と同じ扱いになりますので売却して現金化することが可能です。au PAYカードと組み合わせて利用すれば圧倒的に有利な仕組みと言えるでしょう。
が、しかし。
つみたてNISA口座(ジュニアNISA口座も含め)は、Pontaポイント投資対象外の口座となっています。
シンプルに言えば、つみたてNISA口座の投資信託はPontaポイントで購入できません。
もしPontaポイント投資の活用も検討している場合は、特定口座・一般口座・一般NISA口座のいずれかで口座を開設(または変更)しましょう。
auカブコム証券で「つみたてNISA」を利用するメリットは?
auカブコム証券の「つみたてNISA」で投資できる対象商品は、長期積立分散投資に適したものばかりです。
金融庁が定めた基準の通り、投資者が負担する信託報酬が低く、購入時手数料が0円の低コスト商品に限定されているのが最大のメリットですが、他にもさまざまな利点があります。
auカブコム証券の「つみたてNISA」のメリットをまとめると以下の通りです。
- つみたてNISA取扱商品数(銘柄)が豊富
- 月100円から投資できる手軽さ
- 現物株取引手数料が最大5%割引
それぞれ詳しく解説します。
つみたてNISA取扱商品数(銘柄)が豊富
現在金融庁が定めている投資信託の商品数は全部で184種類(インデックス165+アクティブ19)ありますが、そのうち、auカブコム証券の「つみたてNISA」では全部で151種類(インデックス138+アクティブ13)取り扱われています。
割合でいうと金融庁が定める銘柄の約82%、豊富な商品の中から自身の投資方針に合った銘柄を選べる楽しさがあります。
月100円から投資できる手軽さ
auカブコム証券の「つみたてNISA」口座では、月100円から投資信託の積立投資が可能です。
無理のない金額から「つみたてNISA」を始められるので、投資初心者の方にとって投資信託をはじめやすいのがメリットと言えます。
ちなみに、つみたて頻度は「月単位」と決まっており、「週単位」や「日単位」ではつみたてできない仕様なので注意しましょう。
もし、後から追加投資したい場合は、毎月のつみたて額の変更手続きをするか、もしくは先述した「増資指定」にて、年間2回まで・年間25万円以内であれば可能です。
「NISA割®︎」で現物株取引手数料が最大5%割引
auカブコム証券で「つみたてNISA」口座を開設すると、通常の現物株式の取引手数料が最大5%割引になる「NISA割®︎」が適用されるのも大きなメリットです。
割引率はお客さまのNISA口座継続年数によって異なっており、1年目→1%、2年目→2%、3年目→3%、4年目→4%、5年目以降→5%という風に年々割引率がアップしていきます。
「つみたてNISA」をきっかけに将来個別株式の投資をしようと思い立った場合や、すでに個別株式投資をしている人にとっては非常に魅力的な制度だと思います。
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