auの「アップグレードプログラムNX」で得する人・損する人を徹底解説

auのアップグレードプログラムNXは、高価格帯のスマホを割安で購入することが出来るプログラムです。

 

具体的には、対象機種を分割36回割賦で購入し、25か月目以降に新端末の機種変更時に旧機種をauへ回収に出すことで、旧機種の残り割賦金（最大12か月分）の支払いを免除される仕組みです。

 

シンプルに考えるなら「最安で実質3分の2の価格でスマホを購入できる割引プログラム」です。

 

しかしながら、特典利用条件やタイミングによって、アップグレードプログラムNXで「得する人」と「損する人」に分かれてしまうケースがあります。

本記事では、詳細について難しく考えずシンプルに解説していきます！

 

※アップグレードプログラムNXは2020年2月20日で新規加入受付が終了しました。

現在、アップグレードプログラムNXに加入中の方は特典適用可能ですが、今後新たに機種を購入する場合は、アップグレードプログラムの後継サービスである「かえトクプログラム」に加入することが出来ます。→かえトクプログラムの詳細はこちら

アップグレードプログラムNXの概要

まずはアップグレードプログラムの概要について確認します。

加入条件

対象機種を分割36回割賦で購入し、同時にアップグレードプログラムNXを申し込むこと。

なお、au回線契約がなくても本プログラムに加入できます。

 

※プログラムの加入は36回払いの分割購入時のみ加入できます。また、プログラムを途中で退会した場合、その時点でプログラムは廃止となり、次回の対象機種購入まで再加入できません。

 

プログラム利用料

アップグレードプログラムNXに加入した場合の毎月のプログラム利用料は”無料“です。

 

対象機種

対象機種は以下の通りです。

iPhone	iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max
Android	Galaxy note10+、Xperia 5、Xperia 8、Galaxy S10+、Galaxy S10、Xperia 1、AQUOS R3、TORQUE-G04

対象機種のほとんどが高価格帯のハイスペックスマホばかりです。

一方、低価格帯のスマホは対象外ですが、プログラムの性質上割引の恩恵がそこまで大きくないので特に痛手にはなりません。

 

特典利用条件

プログラム特典を利用するときの条件は以下の通りです。

 

au ID会員のユーザー（au回線なしでもOK）がアップグレードプログラムNX加入時に購入機種分割36回払いで契約し、25か月目以降から36か月未満の特典対象期間中にauへ回収に出すこと。

回収時に査定基準を満たすことで最大限の還元を受けられます。

なお、特典利用時は次回の機種変更は必須ではありません。対象機種を対象期間内にauへ回収に出すだけで特典が利用できます。

 

※プログラム加入機種の回収は、2020年夏以降に受付開始予定です。

 

特典内容

特典利用時、回収の翌月以降の分割支払金相当額の支払いが免除（最大12カ月分免除）

 

例えば、9万円の対象スマホを36回分割契約で購入し、アップグレードプログラムNXに加入後、25か月目すぐに回収へ出すと最大12回分の支払いを免除されます。つまり、条件を満たせば9万円のスマホを実質6万円で購入できるという考え方です。

 

プログラム利用場所

auショップやauオンラインショップで対象機種を購入する場合、どこで購入してもアップグレードプログラムNXに加入することが出来ます。

 

また、購入25か月目から36か月目の間に特典を受ける際は、回収と同時に機種変更を伴う場合だとauショップまたはauオンラインショップで申し込み後、店頭または郵送で回収し査定に出すことが出来ます。

しかしながら、特典利用時に回収と同時に機種変更を伴わない場合は、auショップ店頭のみの回収受付となります。

 

査定基準

対象機種回収時のau査定基準は以下の通りです。

 

• 本体やディスプレイに画面割れや破損がないか
• 電源はきちんと入るか
• 充電がきちんとできるか
• メーカー指定の水濡れシールに水濡れの反応がないか

 

万が一、回収時に上記の査定基準を満たしていない場合は、追加で最大22,000円（不課税）の故障時利用料を支払えば特典を受けることができます。

※ちなみに、Android向けの故障紛失サポートに加入中なら負担金2,200円（不課税）、iPhone向けの故障紛失サポート with AppleCare Services & iCloudストレージに加入中なら負担金12,980円（不課税）または3,740円（不課税）となります。

 

ただし、以下に該当する場合はプログラム特典を受けること自体できません。

 

• 暗証番号ロック解除とオールリセットが実施できない場合
• 製造番号が確認できない、改造などメーカーの保証外となるような場合
• 故障時利用料の負担金が、割賦金の残り残債を下回る場合

 

査定基準は非常にシビアですが、結局、回収品が正常に動作しないとauとしても資産価値が無いわけなので残債免除を受けられなくても仕方がないですね。

アップグレードプログラムNXの恩恵を最大限受けるためには、端末をキレイに扱い続けることが大切です。

 

 

アップグレードプログラムNXの終了条件

以下のいずれかに該当する場合は、アップグレードプログラムNXの契約が終了してしまい特典を受けられなくなるので注意しましょう。

 

1. 分割36回の支払途中で残債を一括清算した場合
2. 分割払い契約を途中で譲渡した場合
3. 分割36回払いを全て完済した場合
4. プログラム加入時にau回線と紐づけていたau IDを解約した場合

 

特に36回割賦を継続しつづける点が大きな注意点ですが、見方を変えればいわゆる3年間の端末支払いを縛られるような印象もあります。しかしながら、きちんと定められたルールを守っていれば、確実にお得になります。

プログラム契約終了の条件には注意しておきましょう。

 

特典を受けない場合どうなるのか？

もし対象機種を分割36回割賦契約で購入し、アップグレードプログラムNXを利用せずに3年・4年と同じスマホを利用し続けた場合は、特典適用対象外となります。

言い換えるとアップグレードプログラムNXは、同じスマホを3年以上長く利用し続ける予定のユーザーは、プログラム特典のメリットはありません。

 

しかし、そもそもプログラム利用料(毎月の掛け金)は”無料“なので、仮にプログラムの特典を受けられないとしても損をすることはありません。

 

「アップグレードプログラムNX」は「下取りプログラム」と併用できるのか？

auの下取りプログラムは、対象機種をauへ回収に出すことで、査定金額分をポイントとして次回購入機種の値引きに充当できる割引プログラムです。

アップグレードプログラムNXも対象機種をauへ回収に出すことで、割賦残債の支払いを免除される割引プログラムです。

しかし、残念ながら双方のプログラムを併用して割引や免除を受けることができません。

 

将来的にスマホを回収に出す際は下取りプログラムの査定金額とアップグレードプログラムNXの支払い免除金額を比較し、割賦相殺金額（割引や免除の金額）がより多いプログラムを選択することとなります。

 

アップグレードプログラムNXで得する人

アップグレードプログラムNXを利用して得する人は以下のようなユーザーです。

• 2年から3年以内の期間で機種変更する可能性があるユーザー
• 対象機種利用中に故障するリスクが少ない、あるいは保証サービスに加入する予定のユーザー
• 回収する旧機種の利用用途が特にないユーザー

 

例えば、新型のiPhoneや新機種が発売されたときに、機能やデザイン、スペックに惹かれて機種変更したくても、過去の仕組みでは割賦残債が残っているという理由から、買い替えを躊躇してしまうことがあったかもしれません。

 

しかし、アップグレードプログラムNXの特典を利用すれば、割賦残債が12回分残っていたとしても、早期に買い替えることで割賦残債の支払いが免除され、なおかつ新機種を手に入れることが出来る早期買い替え促進プログラムです。

 

短いスパンで機種変更したいユーザーは、本プログラムで「得する人」です。

 

アップグレードプログラムNXで損する人

一方、アップグレードプログラムNXを利用して損する人は以下のような場合です。

• 3年以上長くスマホを使いたい場合
• 対象期間中にスマホが故障したから機種変更しようと考える場合
• 旧機種の回収せず、データを残しておきたい場合

 

例えば、3年以上長くスマホを使いたい。良いものは長く大切に使いたい。と考えているユーザーにとってアップグレードプログラムNXのメリットはありません。

とは言うものの、特典を利用しなくても特別な負担金や損失が発生することはありません。

 

また、特典対象期間中にスマホが故障してしまい、これを機に機種変更しようと考える場合は、故障時利用料が発生します。スマホが故障した精神的ショックに加え、故障時利用料として最大22,000円も請求されたらショックが大きいです。

しかし、故障症状が軽微な破損程度であれば、「画面割れ品」として下取りプログラムの値引きに切り替えることも可能です。故障時利用料で不要な追い銭を払わずに、次の購入機種に値引き充当することで一気に逆転して得することも出来ます。

 

そして、プログラム特典利用時に旧機種の大切なデータを残しておきたい場合、回収に出さなければ残債免除の特典を受けられずに金額面では「損」してしまいます。

ただし、データはお金では買えません。大切な写真や動画、コツコツ積み重ねてきたゲームデータなどは、消失してもお金では絶対に買えません。

 

このように考えると、「損する」というよりも「得はしない」と表現した方が適切です。

一見ネガティブな印象があるポイントも、視点を変えると損得だけでは表現できない場合があるわけです。（もちろん人によります。）

 

結論、アップグレードプログラムNXは、見方を変えると「得する人」と「得はしない人」に分けられる得する可能性が高いプログラムでした。