老後のためにお金を貯蓄しておきたい。でも”貯金”したほうがいいのか”株式”を運用したほうが良いのか、リスクとリターンの関係性が難しくてなかなか一歩が踏み出せない。
そんな悩みをお持ちの方は、auのiDeCo(イデコ)を利用してみるのもおすすめです。
iDeCoは個人型確定拠出年金という名の通り、老後資金を個人で積み立てていくための制度です。
加入から60歳の受給時に向けて20年〜30年近く毎月積み立てたお金を、定期預金として維持したり、または投資信託として運用したりしながら自分の年金を作っていくための制度です。
iDeCoは投資信託の側面もありながら節税対策にもなるため、手堅く老後の貯蓄を作りたい方へおすすめの制度です。
KDDIではauアセットマネジメント株式会社とともに「auのiDeCo」を提供しており、au携帯電話を利用しているユーザーはポイント還元で優遇されるなどのメリットがあります。
本記事では、auのiDeCoのメリット・デメリットをご紹介します。
お金の稼ぎ方より”お金の使い方”が重要
ほとんどのサラリーマンが労働の対価として「お金」をいただくわけですが、真のお金持ちは「お金の稼ぎ方」と同じか、もしくはそれ以上の熱量で「お金の使い方」について必死に学び、行動しています。
しかし、学校では「お金」の仕組みや、適切な使い方、家計管理の方法などは教えてくれません。何も知らずに銀行にお金を預けたままでは、得する機会を失ってしまう可能性があると私は考えています。
では一体、もしもの備えや老後の蓄えとして、どうやってお金を貯蓄すれば良いのでしょうか?
ファイナンシャルプランナーの横田健一さんは「お金には4つの分け方がある」と説いています。
具体的には、
- ふだん使うお金(日常生活費)
- とっておくお金(生活防衛資金)
- もうすぐ使うお金(ライフイベント準備金)
- 老後に使うお金(老後資金)
の以上4種類にお金を分けるところからはじめます。
例えば、現在30代独身の方で、毎月の生活費が20万円、現在の貯金が600万円あるとして考えてみます。
1つ目の「ふだん使うお金」は、1.5ヶ月分の生活費相当額を生活費用の口座においておきましょうというものです。生活費が20万円であれば、1.5ヶ月分は30万円となります。
2つ目の「とっておくお金」は、病気やケガで働けなくなってしまった場合や、仕事を失ってしまった場合などに備えて、1年程度の生活資金は蓄えとして持っておきましょうというものです。20万円 × 12ヶ月 = 240万円となります。
そして、3つ目の「もうすぐ使うお金」は、人生の転機に備えて取り分けておくお金です。この方が近々結婚する場合、その費用として150万円を貯めているとしましょう。
最後の4つ目が「老後に使うお金」です。
上記の3つのお金を合計すると、30 + 240 + 150 = 420万円となりますので、現在持っている総額600万円から420万円を差し引いた残りの180万円が現時点での「老後に使うお金」となります。この180万円が運用にまわすことができる最大金額となるわけです。
この「老後に使うお金」をauのiDeCoで貯蓄に回していくとバランスがとりやすくなります。
もちろん、上記の計算式における期間や金額の考え方は年齢や生活環境によって異なりますので、あくまで一例といったところです。貯金額は自身のライフプランに合わせて柔軟に切り替えて良いと思います。
最低限の生活費と、もしもの場合に備えたまとまったお金が手元にあれば、それ以上のお金についてはお金に働いてもらうよう運用していきましょう。
参考:コロナ相場(荒れ相場)の中、iDeCoはどうするべきか
iDeCoのメリットは何と言っても節税効果
auのiDeCoに限らず、すべてのiDeCoにおいて最も大きなメリットは節税効果があることです。
いくら収入が上がったとしても、引かれるお金も増えれば、手元に残るお金はほんのわずかしか増えません。ですから、お金を増やすことと同様にお金を引かれないための行動が必要不可欠です。
iDeCoで貯蓄すれば、掛け金に比例して大きく税金控除を受けることができます。
例えば、企業年金に加入していない年収400万円のサラリーマンが、毎月1万円ずつ60歳までiDeCoでこつこつ貯蓄した場合、30年で合計54万円の節税効果をもたらします。つまり1年間で18,000円の節税となります。
auで料金を安くすると言えば、スマホのプランを見直すことを一番にイメージしますが、スマホと一緒に「auのiDeCo」を利用することで、さらに大きなメリットを生み出す可能性があります。
auのiDeCoのメリット
目的別で選びやすい商品プラン
まず、auのiDeCoには元本保証型の「定期預金」と、変動型の「投資信託」の2種類のプランが提供されています。お金が減らないことを第一とするなら定期預金、リスクはあるが少しでも運用して増やしていきたいなら投資信託という選び方です。
他のiDeCoでは投資信託の商品として、いくつものファンドが存在しますが、どの商品が良いのか多すぎて選びづらいという点があります。
もちろん、投資信託の選択肢は多い方が良いだろ、という考えもあるかもしれませんが、auのiDeCoでは目的別に絞って4種類のプランが提供されています。
ちなみに、4種類のプランは以下の通りです。
目的 | プラン商品名 |
コツコツお金を増やしたい | auスマート・ベーシック(安定) |
リスクとリターンのバランスが大事 | auスマート・ベーシック(安定成長) |
お金を守るより増やすことを優先したい | auスマート・プライム(成長) |
減るリスクは覚悟のうえでお金を増やしたい | auスマート・プライム(高成長) |
多すぎるファンド先の違いを比較するのが面倒・わかりづらいなどの悩みを抱えており、目的別にさっくり投資信託を始めたい!という方にとって、auのiDeCoは自分の目的に合った商品プランの選びやすさにメリットがあるのです。
ちなみに、auのiDeCoは投資信託と定期預金を組み合わせることで、自分自身で投資配分を決めることも出来ます。
運営管理手数料が0円
お金を運用するときに「手数料コストをかけない」のは鉄則ですが、auのiDeCoは運営管理手数料が無料となっているのが特徴です。
通常、iDeCoを運用する場合の手数料は、①国民年金基金連合会の手数料、②資産管理機関の手数料、③運営管理機関の手数料の3種類ありますが、auのiDeCoでは③の運営管理期間手数料が無料となっています。
例えば、窓口で申し込むことができるiDeCoの場合だと上記の3種類の手数料すべてを取られてしまうわけですが、やはりネット型申し込み窓口とだけあってauのiDeCoは手数料がほかの窓口型よりも安く設計されているのがメリットです。
具体的に「ゆうちょ銀行のiDeCo手数料」と「auのiDeCoの手数料」を例に比較してみます。
(全て税込) | ゆうちょ銀行iDeCo | auのiDeCo | |
加入手数料(初回のみ) | 2,829円 | 2,829円 | |
運用中の手数料(加入者) | 国民年金基金連合会 | 105円 (収納1回当り) |
105円 (収納1回当り) |
資産管理機関 | 66円(月額) | 66円(月額) | |
運営管理機関 | 259円(月額) | 無料 |
上記のとおり、運用中の手数料体系においてゆうちょ銀行では毎月259円の運営管理期間手数料がかかる一方、auのiDeCoではこれが無料となっています。
つまり、年間3,108円、10年で31,080円、20年で62,160円、30年で93,240円もの差が生まれるわけです。(消費税率10%が継続したと仮定して)
iDeCoを利用する目的が老後の資産形成とするならば、せっかく投資信託で運用してお金を増やしたとしても、手数料でざっくりお金を搾取され続けるのはかなりもったいないです。
一度iDeCoへ加入したら、原則老後まで給付は受けられませんからね。加入時の行動が大きな差を生むのです。
参考:ゆうちょ銀行のiDeCo
運用しながらPontaポイントを獲得できる
auのiDeCoでは変動型のauスマート・ベーシック、auスマート・プライムのプランを選択した場合、投信残高に応じて「Pontaポイント」が還元されます。
これは競合のiDeCoには無い独自の特典となっており、運用で得られる利益以外に「残高に応じてポイントがもらえる」のはauのiDeCoの大きなメリットのひとつです。
概要をまとめます。
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また、ポイント還元率については、プログラム対象銘柄ごと、auの通信契約ごとに設定されています。
au通信契約あり | au通信契約なし | |
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auスマート・ベーシック(安定) | 0.04% | 0.02% |
auスマート・ベーシック(安定成長) | 0.04% | 0.02% |
auスマート・プライム(成長) | 0.10% | 0.05% |
auスマート・プライム(高成長) | 0.10% | 0.05% |
つまり、auのiDeCoを利用する上で、auのケータイやスマホを使い続けたほうがポイント還元において大きく有利となります。
auのiDeCoのデメリット
運用したお金は60歳まで引き出せない
例えば、銀行預金や株式を運用している場合は、年齢に関係なくいつでも引出したり、売却してお金に変えることができます。
しかし、iDeCo(イデコ)は、老後の公的年金の補完を目的とした制度であるため、原則60歳になるまで年金資金(老齢給付金)を受け取ることはできません。
ただし、以下のような場合は例外で引き出せる場合があります。
- iDeCo加入者(または過去にiDeCo加入者であった者)がお亡くなりになった場合は、ご遺族の方が死亡一時金を請求できます。
- iDeCo加入者が傷病等によって高度障害の要件に該当することとなった場合は、iDeCo加入者が障害給付金の支給を請求できます。
- iDeCoの加入資格を喪失し一定の条件を満たしている場合、脱退一時金を受給できることがあります。
なお、60歳に到達した時点で確定拠出年金に加入していた年数(通算加入者等期間)が10年に満たない場合は、通算加入者等期間に応じて老齢給付金の受給開始可能年齢が決まります。
例えば、50歳以上でiDeCoに加入した場合は60歳で受け取れない場合があり、iDeCo加入から10年以上経過していなければ年金資金(老齢給付金)を受け取ることはできません。
つまりiDeCoは、加入してから10年以上経過すること、かつ60歳以上の時にしか積み立てたお金を引き出すことができません。
ふるさと納税利用時は税金還付・控除額が減る
ふるさと納税は、課税所得(収入のうち税金がかかる部分)によって控除を受けられる金額が決められます。
iDeCoの積み立て分は所得控除ですので課税所得が減り、結果として所得税や住民税を減らせるわけですが、その結果、ふるさと納税の還付・控除限度額もいくらか減ることになります。
とは言え、ふるさと納税の限度額が減るデメリットよりも所得税や住民税の節税メリットの方が大きいため併用して利用しても何ら問題はありません。
唯一、寄付金控除の限度額以上にふるさと納税をしてしまうと、超えた分については控除対象外となってしまう、という点だけ意識しておきましょう。
気になる方は「auのiDeCo」の節税シミュレーションでも、iDeCoとふるさと納税を併用する場合の上限額をかんたんに算出することができますのでご活用ください。
関連記事:「ふるさと納税を理解して「au PAY ふるさと納税」を利用する!」
iDeCoの知識は自分で学ばなければならない
これからiDeCoに加入しようと考える場合、「どの銘柄がおすすめか?」「どんなプランが自分には適しているか」などの疑問が出てくると思います。
しかしながら、個人型確定拠出年金イデコ(iDeCo)の運営管理機関では個別の商品を推奨することが禁止されています。
ですから、誰かにおすすめの商品を聞いたりすることができないため、加入者は自身の情報や知識をもとに「自己判断」しなければなりません。
投資判断において迷う時は、書籍やネットなどで自ら学び、自分の軸を持って判断しましょう。
「知識はお金を生む」という言葉にもあるとおり、たくさんのお金を得るには書籍を購入したり、情報をインプットする時間などの先行投資が必要です。
とは言え、いちから学んでいてはたくさんの時間を費やすこととなるため、まずはauのiDeCoへアクセスし、全容を広く見渡してわからないところをピックアップして調べていくと効率的です。→auのiDeCo